はじめに:樹木葬の普及と課題
近年、自然回帰志向の高まりや、少子高齢化、核家族化の進行に伴うお墓の承継者問題などを背景に、「樹木葬」を選択する方が増加しています。樹木葬は、墓石の代わりに樹木を墓標とし、遺骨を自然に還すことを目的とした供養方法であり、その多様な形式は現代のニーズに応えるものとして注目されています。
一方で、従来の墓石を用いたお墓とは異なる供養形態であるため、「思っていた供養の形と違った」といった声や、親族間での認識のズレが生じるケースも見受けられます。今後、供養の方法として多岐にわたる選択肢が検討される中で、実際に樹木葬を経験した方々の声は、有意義な検討材料となると考えられます。
このような背景のもと、離檀代行・墓じまい代行業者『わたしたちの墓じまい』を運営する株式会社フーフーは、樹木葬経験者を対象に「樹木葬への後悔」に関する実態調査を実施しました。本調査は、樹木葬を選択した人々がどのような点で満足し、どのような点で課題を感じているのかを明らかにすることを目的としています。
調査概要
本調査は、株式会社フーフーが運営する『わたしたちの墓じまい』(https://kaiso.or.jp/haka/)によって実施されました。樹木葬を経験した全国の男女100人を対象にインターネットアンケート形式で実施され、2026年5月19日に結果が集計されました。本調査は「わたしたちの墓じまい」の利用者に限定されたものではありません。
設問内容は以下の4点に焦点を当てています。
-
樹木葬を選んで後悔したか
-
後悔したポイント
-
契約前に確認すべきポイント
-
樹木葬選びで重要だと感じたこと
本記事では、これらの設問に対する回答傾向と、自由回答から見えてきた「後悔しやすいポイント」や「失敗を防ぐための確認事項」を中心に、調査結果を詳細に解説します。
樹木葬経験者の「後悔・迷い」の実態
約4人に1人が後悔や迷いを経験
樹木葬を経験した100人に対し、「樹木葬をして後悔しているか」を尋ねた結果、「後悔している」と回答した人が7人(7.00%)、「少し後悔している」と回答した人が19人(19.00%)でした。これらを合計すると、26人(26.00%)が樹木葬に対して何らかの後悔や迷いを抱いていることが明らかになりました。一方で、74人(74.00%)は「後悔していない」と回答しており、樹木葬は多くの人々にとって満足度の高い供養方法であることが示されています。
しかしながら、約4人に1人が「想定との違い」を感じているという実態は、今後の樹木葬検討者にとって重要な情報であると言えるでしょう。

後悔の理由詳細
「後悔している」「少し後悔している」と回答した26人に、その理由を自由回答形式で尋ねたところ、以下の主な要因が挙げられました。
親族との認識の違い
樹木葬は、墓石を用いた伝統的なお墓とは供養の形式が大きく異なります。そのため、親族間で十分に情報共有や合意形成が行われなかった場合、認識のズレが生じ、後悔につながるケースがあることが判明しました。
-
「他の親戚が、いわゆる『伝統的な墓参り』を想定していたのにやってしまい、実際に訪れたときに説明の必要があった」
-
「後継ぎがいないからと自己判断で決めた結果、代々のお墓に入るべきという親族と揉めたから」
-
「家族や周りからの考えや意見の行き違い」
これらの回答から、樹木葬を選択する際には、事前に親族間で供養の形式や意義について十分に話し合い、理解を得ることが不可欠であることが示唆されます。
アクセスの不便さや管理の手間
自然に囲まれた立地は樹木葬の魅力の一つですが、実際に利用してみると、そのアクセス性や維持管理に負担を感じるケースも確認されました。
-
「最初は自然に囲まれていて良いなと思ったのですが、いざ定期的に通うとなると、霊園までの交通の便やアクセスが不便で墓参りに負担を感じるようになってしまいました」
-
「樹木葬を選びましたが、季節の移ろいとともに生い茂る雑草の生命力に圧倒され、手入れの負担が予想以上で少し後悔しています」
-
「管理が難しいから」
美しい自然環境は魅力的であるものの、現実的なお参りの頻度や、予想される管理の手間(特に雑草対策など)を考慮し、契約前に現地を訪れて確認することの重要性が浮き彫りになりました。
供養の実感が薄い
墓石を中心とした従来型のお墓とは異なり、樹木葬では「形ある場所」としての実感を得にくいと感じる人もいるようです。これが、供養の実感の薄さにつながり、後悔の原因となることがあります。
-
「伝統的なお墓のほうがよかったのではないかと思うことがある」
-
「お墓として形ある場所があれば良かったですし供養の実感が薄いからです」
-
「お参りの感覚が薄くなってしまうこと」
「お墓参り」という行為が、特定の「形」に紐づいていると考える人々にとって、樹木葬の供養形式は心理的なギャップを生じさせることがあります。故人を偲ぶ形が、個人の価値観や慣習と合致するかどうかを事前に検討することが重要です。
費用などの経済的負担
樹木葬は一般的に、永代供養料や管理費が比較的抑えられる供養方法として認識されています。しかし、実際には想定よりも総額が高くなったと感じるケースも存在し、費用に対する認識の差が後悔につながる一因となっていることがうかがえます。
-
「費用が思っていたよりもかかってしまった」
-
「費用が高かった」
初期費用だけでなく、年間管理費、法要費、改葬費など、契約後に発生しうる全ての費用項目を事前に詳細に確認し、総額を把握することの重要性が示されています。
供養先選びで重視すべきと考えるポイント
樹木葬を利用した100人に、「供養先を選ぶ際に重視すべきと考えるポイント」について自由回答形式で尋ねたところ、以下の点が主要な要素として挙げられました。
「費用総額」を事前に確認すべきという声
費用面では、初期費用だけでなく、長期的に発生する全ての費用を把握することの重要性が多くの回答で指摘されました。
-
「購入時の初期費用(永代供養料や埋葬料)だけでなく、その後に毎年の『管理費』がかかるのか、生前と死後で支払いの扱いがどうなるのかという費用の総額です。後から追加費用でトラブルにならないように、事前の確認が必須だと思います」
-
「金額だけは絶対確認すべき」
-
「一括払いで全部費用が済むのか、年間維持費がかかるのかのチェック」
樹木葬の費用は、永代供養料、埋葬料、管理費、彫刻料など多岐にわたります。特に年間管理費の有無や、生前契約と死後契約での支払い方法の違いなど、契約形態によって総額が大きく変動する可能性があるため、複数の霊園や業者から見積もりを取り、詳細な費用内訳を確認することが肝要です。
「個別埋葬期間」と「合祀のタイミング」を確認すべきという声
樹木葬特有の「一定期間後に合祀される仕組み」に対して、不安や認識不足を指摘する回答が目立ちました。埋葬形式や個別安置期間に関する理解不足が、後悔につながる一因となっていることが分かります。
-
「最終的に遺骨がいつ、どのように他人のものと混ざるかという点。一定期間が過ぎて他の人の遺骨と混ざると後から取り出せなくなるので埋葬形態や個別期間の把握が欠かせないので確認しておくべきだと思う」
-
「最終的に他人の遺骨と混ざる『合祀(ごうし)』か、個別のスペースに埋蔵されるかを必ず確認してください」
樹木葬には、個別の区画に埋葬される「個別型」や、シンボルツリーの周囲に複数人の遺骨が埋葬される「集合型」、最初から他者の遺骨と一緒に埋葬される「合祀型」など、様々な形態があります。特に、一定期間後に合祀されるプランを選択する場合、その期間や合祀後の遺骨の取り扱いについて、契約前に十分に理解しておくことが求められます。
「立地・アクセス」を実際に確認すべきという声
お参りの負担を軽減するためには、供養施設の立地やアクセス性が非常に重要であるという意見が多く寄せられました。
-
「立地やアクセスの良さは事前にしっかり確認したほうがよいと感じました。実際に足を運びやすい場所でないとお参りが負担になってしまうためです」
-
「場所が遠すぎると行くのがしんどくなるので、アクセスの確認はしておいた方が良い。車を持っていない場合は特に」
-
「立地と外観は大切にしてほしい。また、周囲の音等」
契約前に実際に現地を訪れ、公共交通機関でのアクセス、駐車場の有無、周辺環境(騒音、景観など)を確認することは、長期的なお参りの負担を考慮する上で不可欠です。特に、高齢になった場合や、車を所有していない場合のアクセスについても考慮に入れるべきでしょう。
「親族との合意形成」が重要という声
従来型のお墓とは異なる供養形式である樹木葬では、親族間での認識共有が特に重要であるという意見が多く見られました。事前説明不足によるトラブルや認識のズレの発生を避けるためにも、十分な話し合いが求められます。
-
「自分だけで決めるのではなく、親族としっかりと話し合うべき」
-
「少なくとも近い親戚には、そういう形態でやることを知らせておくべき」
-
「きちんと故人の意思を確認した上で選ぶことをオススメします」
供養は個人だけでなく、家族や親族全体に関わる大切な事柄です。樹木葬を選択する際には、故人の生前の意思を尊重しつつ、関係する親族全員に説明し、理解と同意を得ることが円満な供養につながります。
「管理体制・運営の信頼性」を重視する声
長期的に供養を続ける場所であることから、運営主体や管理体制への信頼性を重視する傾向が見られました。
-
「管理体制です」
-
「墓地の管理体制」
-
「サポート体制がしっかりしているかどうかです」
供養施設が永続的に適切に管理されるか、万が一の際のサポート体制が整っているかなど、運営主体の信頼性は非常に重要な要素です。施設の経営状況、過去の実績、契約内容に明記されている管理体制などを確認し、安心して供養を任せられるかを見極める必要があります。
結論:樹木葬選択における留意点
本調査を通じて、樹木葬経験者の約4人に1人が何らかの後悔を感じている実態が明らかになりました。後悔の主な理由としては、「親族との認識の違い」「アクセス・管理負担」「供養形式への戸惑い」「費用面」が挙げられています。これらの課題は、樹木葬が従来の供養方法とは異なる特性を持つことに起因していると考えられます。
一方で、後悔を防止し、満足度の高い供養を実現するためには、「費用総額の確認」「合祀タイミングの理解」「立地確認」「親族間の合意形成」「管理体制確認」が特に重要であるという示唆が得られました。
樹木葬は、自然志向や管理負担軽減の観点から選択されるケースが増えていますが、契約前の十分な理解と、関係者との合意形成が不可欠です。特に「費用」「合祀」「親族との認識共有」に関する確認不足が、結果として満足度に大きく影響することが本調査から明確になりました。供養方法の選択は、個人の価値観だけでなく、家族や親族の意向も踏まえた上で、慎重に進めるべき重要なプロセスであると言えるでしょう。
本調査結果の詳細データおよび図表素材は、以下の特設ページにて公開されています。報道・記事制作時の引用素材としてもご活用いただけます。
▼調査結果特設ページ
https://kaiso.or.jp/media/hakajimai-memorial/jumokuso-koukai/
「わたしたちの墓じまい」について

株式会社フーフーが運営する「わたしたちの墓じまい」は、創業2002年の実績を持つ墓じまい専門業者です。丁寧さと費用面での安心感を強みとし、離檀代行、墓撤去工事、改葬手続き代行、格安永代供養紹介まで、墓じまいに関するあらゆるサービスを一貫して提供しています。本社は神奈川県に位置し、全国に15の支店(加盟店)を展開しており、日本全国からの依頼に対応しています。
対応エリア:
北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、福井県、石川県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
関連リンク:
-
オウンドメディア:https://kaiso.or.jp/media/
-
公式YouTube:https://www.youtube.com/@TV-bs2sd
-
公式Instagram:https://www.instagram.com/hakabito/


コメント