親のデジタル資産、6割超が「把握できていない」:デジタル遺産がもたらす新たな相続リスクと生前共有の重要性
現代社会において、インターネットバンキング、ネット証券、サブスクリプションサービスなど、私たちの資産や契約の多くがデジタルデータとしてスマートフォンやパソコンの中に存在しています。これらは「デジタル資産」と呼ばれ、その管理は日常において不可欠なものとなっています。しかし、親世代が保有するこれらのデジタル資産について、子世代がどの程度把握しているのか、そして万一の事態に際して、その情報にアクセスできるのかという問題が浮上しています。
相続をテーマにした情報メディアを運営するPR media株式会社は、子世代が親のデジタル資産をどの程度把握しているのか、また、万一の際の不安や共有を希望する情報について明らかにするための調査を実施しました。この調査は、全国の30〜69歳の男女(実父母または義父母が1人以上ご存命で、最も年齢が高い親が60代以上の方)を対象に行われ、合計1,000名の有効回答を得ています。その結果、親のデジタル資産を「把握できていない」と回答した人が60.6%に達し、デジタル時代における新たな相続リスクが顕在化していることが示されました。
調査の主な結果
今回の調査で明らかになった主な点は以下の通りです。
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親のデジタル資産を「把握できていない」と回答した人は60.6%に上ります。
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最も見えていないデジタル資産として、「スマホ・PCのロック解除パスワード」が37.0%で最多となりました。
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万一の際、「スマホ・PCの中身を確認できるか不安」と感じている人は49.3%に及びます。
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「共有してほしい」情報としても、「スマホ・PCのロック解除パスワード」が43.7%で最も多く挙げられています。
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リアル資産(預貯金・不動産など)の把握できていない割合が64.6%であるのに対し、デジタル資産は60.6%と、両者に大きな差がないことが判明しました。
この調査結果は、デジタル化が進む現代において、相続の準備が従来の「紙の資産」だけでなく、「スマホの中」の情報まで含めて考える必要があることを強く示唆しています。以下に、各調査結果について詳細に考察します。

1. 親のデジタル資産、6割が「把握できていない」
親が利用しているネット銀行、ネット証券、暗号資産、サブスクリプションサービスなどのデジタル上のサービスについて、子世代がどの程度把握しているかという問いに対し、「把握できている」と回答した層は全体の39.4%にとどまりました。具体的には、「ほぼすべて把握している」が20.7%、「大まかに把握している」が18.7%です。
一方で、「一部のみ把握している(8.4%)」「ほとんど把握していない(14.4%)」「まったく把握していない(37.8%)」を合わせると、60.6%もの人が親のデジタル資産を把握できていないという結果になりました。特に、「ほとんど・まったく把握していない」と答えた人は52.2%と、半数を超えています。

この結果は、デジタル資産が物理的な形を持たない特性上、その存在自体が見えにくいという実態を浮き彫りにしています。預貯金や不動産のように目に見える資産とは異なり、デジタル資産は意識的に確認しなければ、親がどのようなサービスを利用しているのかさえ、子世代は知る由がない状況にあると言えるでしょう。この「見えない資産」の存在は、将来的な相続手続きにおいて、予期せぬ困難を引き起こす可能性があります。
2. 最も見えていないのは「スマホ・PCのパスワード」
親のデジタル資産を十分に把握できていないと回答した人に対し、具体的にどのデジタル資産が把握できていないか、または存在を知らないと感じるかを質問したところ、最も多かったのは「スマホ・PCのロック解除パスワード」で37.0%でした。次いで、「ネット銀行・ネット証券のログイン情報(22.0%)」、「緊急時の連絡先・パスワード管理アプリの場所(18.0%)」と続きます。

この結果から注目すべきは、個別の金融口座やサービスの情報よりも、それらすべてにアクセスするための「入り口」となる「スマホ・PCのパスワード」が最も把握できていない点です。スマートフォンやパソコンがロックされた状態では、たとえネット銀行や証券口座の存在を知っていたとしても、その中身を確認することはできません。デジタル資産の問題は、まずその「入り口が分からない」という根本的な課題から始まっていることが明らかになりました。これは、デジタル遺産に備える上で、まず解決すべき最も重要な課題の一つと言えるでしょう。
3. 万一のとき「スマホ・PCの中身を確認できるか不安」が約半数
入り口となるパスワードが不明であることは、子世代にどのような不安をもたらしているのでしょうか。両親に万一のことがあった場合、スマートフォンやパソコンの中の情報を確認できるかについて不安があるかを質問したところ、「非常に不安がある(17.7%)」と「やや不安がある(31.7%)」を合わせると、49.3%が不安を感じていることが判明しました。これは、約半数の子世代が、親のデジタル資産へのアクセスに関して懸念を抱いている状況を示しています。

口座情報、契約内容、重要な連絡先といった大切な情報がデジタル端末の中に閉じ込められたまま、アクセスできなくなる事態は、紙の通帳や書類が中心だった時代には存在しなかった新たなタイプのリスクです。デジタル遺産への備えが不十分な場合、相続手続きが滞るだけでなく、親の生前の意思が反映されなかったり、場合によっては財産が散逸したりする可能性も否定できません。この不安は、単なる手続き上の問題に留まらず、精神的な負担や家族間の軋轢に発展する可能性も秘めていると言えるでしょう。
4. 「せめてパスワードだけは共有してほしい」が最多
前述のような不安を背景に、子世代は親にどのような情報を共有してほしいと感じているのでしょうか。両親に対し、せめてこれだけは家族と共有しておいてほしいと感じるデジタル情報を質問したところ、ここでも「スマホ・PCのロック解除パスワード」が43.7%で最も多く挙げられました。次いで「ネット銀行・ネット証券のログイン情報(26.7%)」、「緊急時の連絡先・パスワード管理アプリの場所(20.3%)」が続きます。

この結果は、「最も見えていない情報」と「最も共有してほしい情報」が、いずれも「スマホ・PCのパスワード」で一致していることを示しています。これは、子世代がデジタル時代の相続において、「親のスマートフォンやパソコンが開けるかどうか」を最大の関心事として捉えていることの表れと言えるでしょう。デジタル資産の整理に着手する上での第一歩として、まずパスワードという入り口だけでも家族間で共有しておくことの重要性が、強く認識されていることがうかがえます。生前からの情報共有は、万一の際の混乱を避ける上で極めて有効な手段となります。
5. リアル資産もデジタル資産も、把握度はほぼ同じ
デジタル資産は見えにくいというイメージが先行しがちですが、預貯金や不動産といった「リアルな資産」と比べた場合、その把握度合いにどの程度の差があるのでしょうか。別途実施された調査で、親のリアル資産の把握度と比較した結果、親のリアル資産を「把握できていない」人は64.6%、デジタル資産は60.6%と、両者にほとんど差がないことが明らかになりました。

この結果は、「デジタルだから特別に見えにくい」というよりも、リアル資産もデジタル資産も、親の資産全般が子世代から見えにくい状態にあるという実態を示しています。言い換えれば、デジタル資産の把握は、特別に難しい課題ではないということです。リアルな資産の棚卸しと同じように、家族で少しずつ確認し合い、情報を整理していくことで、十分に把握できる範囲にあると解釈できます。デジタル資産を過度に敬遠するのではなく、リアル資産と同じテーブルで話し合い、対策を講じることが、デジタル遺産への備えの出発点となるでしょう。
デジタル遺産への備え:生前のパスワード共有と専門家への相談
今回の調査からは、親のデジタル資産を把握できていない子世代が60.6%に上り、その核心に「スマホ・PCのパスワードが分からない」という問題が存在することが明らかになりました。最も見えていない情報も、最も共有してほしい情報も、ともにパスワードが1位であり、約半数の子世代が万一の際の不安を抱えています。
興味深いのは、相続で最も不安なこととして「デジタル資産・ネット口座に気づけないこと」を挙げた人がわずか0.7%だった点です。これは、多くの人がデジタル遺産を相続のリスクとして十分に意識していないことを示唆しています。しかし、実際には6割が把握できておらず、半数が不安を感じているという現状は、「気づかれていないリスク」こそがデジタル遺産の真の落とし穴である可能性を指摘しています。
一方で、リアル資産との比較では、両者の把握度に大きな差は見られませんでした。このことは、デジタル遺産が特別に難しい課題ではなく、リアルな資産と同様に、家族で少しずつ確認し、情報を共有していくことで備えられるものであることを示しています。
相続の準備は、もはや預貯金や不動産といった「紙の資産」だけで完結するものではありません。スマートフォンやパソコンの中に存在する情報まで含めて、生前に家族で共有しておくことが極めて重要です。具体的には、まず「パスワード」という入り口だけでも話し合っておくことから始めるのが良いでしょう。
デジタル遺産の整理は、何から手をつければよいか分かりにくいと感じるかもしれません。そのような場合は、デジタル遺産の整理に詳しい専門家へ相談することを推奨します。専門家は、各家庭の状況に合わせた具体的な進め方や、法的な側面からのアドバイスを提供してくれるでしょう。これにより、家族間のスムーズな情報共有が促進され、万一の事態における混乱を最小限に抑えることが可能になります。
デジタル化が進む社会において、終活や生前整理の概念も変化しています。エンディングノートの活用や、家族会議を通じてデジタル資産の存在やパスワードの管理方法について話し合うことは、現代における新たな家族の絆を育む機会にもなり得ます。適切な準備と情報共有によって、デジタル遺産がもたらすリスクを管理し、安心して未来を迎えるための基盤を築くことが求められます。
調査の実施概要
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調査機関: 自社調査
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調査方法: インターネット調査(アイブリッジ株式会社「Freeasy」)
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対象エリア: 全国
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対象者: 全国の30〜69歳の男女(実父母または義父母が1人以上ご存命で、最も年齢が高い親が60代以上の方)
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調査期間: 2026年5月29日
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有効回答: 1,000名
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「把握できていないデジタル資産」(セクション2)は、親のデジタル資産を十分に把握できていないと回答した方(200名)を対象に集計。
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「万一の際の不安」(セクション3)「共有してほしい情報」(セクション4)は、親が1人以上ご存命の方(300名)を対象に集計。
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「リアル資産との比較」(セクション5)のリアル資産把握度は、別途実施した調査(有効回答607名)の結果。
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その他: 本リリースの調査結果・グラフにおける割合は四捨五入した値を表示しているため、合計が100%にならない場合があります。
▼本調査に関するオリジナル記事は、PR media株式会社運営メディアにて公開しています。
https://prmedia.co.jp/media/inheritance-digital-assets/
PR media株式会社について
PR media株式会社は、コールセンター事業、メディア事業、広告代理業、マーケティング事業、保険代理事業などを多角的に展開している企業です。同社は、相続や資産形成といった「お金にまつわる暮らしのテーマ」を、専門的かつ分かりやすく伝える情報メディアを運営しています。読者一人ひとりが、人生の大切な節目を安心して迎えられるよう、信頼できる情報と専門家への相談機会を提供することを目指しています。
デジタル遺産の整理は、その性質上、何から手をつければよいか判断が難しい場面が多くあります。そのような際には、専門家への相談が具体的な解決策を見つける上で有効な手段となります。
PR media株式会社 会社概要
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設立: 2018年8月22日
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本社所在地: 東京都渋谷区恵比寿4-3-14 恵比寿SSビル9階
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代表取締役: 藤森 何意
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事業内容: コールセンター事業/メディア事業/広告代理業/マーケティング事業/保険代理事業


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