親が高齢になった実家の心配事に関する意識調査:子世代が抱える課題と解決への道筋

終活

調査概要

本調査は、親が60代以上で実家を所有している人を対象に、2026年8月31日から9月2日の期間、インターネットによる任意回答形式で実施されました。有効回答数は499人(女性372人/男性127人)で、回答者の年代は20代が7.4%、30代が37.3%、40代が31.9%、50代が19.2%、60代以上が4.2%でした。

親が高齢になった実家の心配事ランキング

親が高齢になった実家の心配事ランキング

親が60代以上で実家を所有している499人の子世代に対し、「親が高齢になった実家の心配事」について尋ねた結果、以下のランキングが明らかになりました。

1位 荷物の片付け(34.3%)

長年住み続けた実家には、多くの家財が蓄積されていることが一般的です。親が高齢になると、体力や判断力の低下により、自力での片付けが困難になるケースが増加します。子世代からは、「将来、自分が実家を住み継ぐ予定だが、荷物の仕分けが全くできていないことが心配」(30代 男性)や、「父が物を捨てられない性格で、家が物だらけ。どこから手をつけたらいいか分からない」(50代 女性)といった声が寄せられています。
この問題は、単なる物理的な作業だけでなく、思い出の品や不要品の選別という精神的な側面も持ち合わせます。生前整理は有効な解決策の一つですが、物の多さに途方に暮れる子世代も少なくありません。早期に親との間で片付けの計画を立て、必要に応じて専門業者の利用を検討することが重要です。

2位 不動産の管理(33.9%)

実家の維持管理もまた、子世代の大きな懸念事項です。特に庭の手入れや建物の老朽化に伴うメンテナンスは、親が高齢になると難しくなります。「庭の管理が心配。私は植物に興味がなく、現状維持すらできないのでは」(40代 女性)や、「老朽化したときのメンテナンス方法が分からない」(50代 男性)といった意見が示されています。
親の認知機能や体力の衰えは、今までできていた定期的なメンテナンス作業を困難にさせます。遠方に住む子世代にとっては、物理的な距離も管理を妨げる要因となります。メンテナンスの知識不足や、専門業者への依頼方法が不明確であることも不安を増幅させます。定期的な実家の点検や、修繕計画の共有、信頼できる業者との連携が求められます。

3位 家にかかる費用(24.0%)

実家を所有し続ける限り、固定資産税や修繕費といった維持費用が発生します。老朽化が進んだ建物や広大な敷地を持つ実家の場合、これらの費用は大きな負担となり得ます。「老朽化しているので維持費が心配。取り壊す場合の費用負担も」(20代 女性)や、「2,000坪近くあるので、税金が年間30万円ほどかかる」(30代 女性)といった具体的な懸念が表明されています。
地震などの自然災害による損壊リスクも、修繕費用の観点から懸念されています。解体費用や、建物がなくなることによる固定資産税の上昇など、将来的な費用負担に対する不安は尽きません。親が元気なうちに維持費の目安を確認し、将来発生しうる修繕費用について情報収集を行うことで、不安の軽減につながります。また、費用負担が困難な場合には、売却などの選択肢も早期に検討することが肝要です。

4位 お墓の管理(16.0%)

実家だけでなく、お墓の管理も子世代の心配事の一つです。親が管理できなくなった場合、お墓は子世代に引き継がれるのが一般的ですが、「継ぐ人がいない」「遠方で管理が大変」といった理由から不安を抱える人が多く見られます。「墓もあるが、継ぐ人がいない。親に今話をすると失礼な気がして聞きづらい」(30代 男性)といった声は、この問題のデリケートさを示しています。
墓じまいや永代供養といった選択肢があるものの、ご先祖様が眠る場所であるため、親との話し合いをためらう子世代も少なくありません。親の意向を尊重しつつ、家族間で将来のお墓のあり方について話し合う機会を設けることが望ましいでしょう。

同率4位 今後の指針がないこと(16.0%)

「空き家になった後、家を残すのか土地を売るのか決まっていない」(30代 女性)や、「母亡き後、実家をどうするのか全く決まっていない。もし急に倒れたらどうしたらいいか不安」(50代 女性)といった意見が示すように、実家の将来に関する具体的な方針が未定であることへの不安も根強いです。
親が施設に入居する、あるいは亡くなるなど、予期せぬ事態が発生した場合、短期間で難しい判断を迫られる可能性があります。方針が定まっていないと、相続時に「残すのか売るのか」「誰が継ぐのか」といった問題で家族間のトラブルに発展するリスクも高まります。親が元気なうちに、家族で将来の方針について話し合い、方向性を決めておくことが重要です。

6位 売却できない可能性(7.8%)

親が施設に入居したり亡くなったりして実家が空き家になった際、売却を検討する子世代もいますが、実際に売却できるかどうかの不安も存在します。「田舎なので相続しても使い道がない。売りたくても売れそうな場所でもない」(30代 女性)や、「家自体が古いので売却できるか不安」(30代 女性)といった声が寄せられています。
特に、地方の物件や築年数の古い物件は、買い手が見つかりにくい傾向があります。手放したいのに手放せない状況が続けば、維持費と管理の手間がかかり続け、子世代にとって大きな負担となります。売却の方針が決まった場合には、信頼できる不動産会社や買取会社に早期に相談し、専門的なアドバイスを得ることが不安軽減につながります。

7位 相続の手続き(5.8%)

親が亡くなり実家を相続する際には、相続人の間で「誰が家を継ぐのか」という問題が生じます。「疎遠な兄弟と相続でもめそう」(30代 女性)や、「遺産の分配や相続税、固定資産税について心配」(30代 女性)といった声があるように、相続は家族間の関係性や金銭的な問題が絡み合い、トラブルに発展しやすい側面があります。
相続手続きには専門的な知識が必要であり、遺産分割協議や相続税の申告など、多くの手間と時間がかかります。親が元気なうちに、遺言書の作成や家族信託の検討など、相続対策を進めておくことが、円滑な手続きと家族間の争いを避けるために有効です。

8位 バリアフリー対応の遅れ(4.6%)

親が実家に住み続ける上で、住宅のバリアフリー対応が遅れていることへの心配も挙げられます。「玄関の段差が大きいので、自力で登れなくなるのではないか」(30代 女性)や、「家の中でけがをしないかが心配」(40代 女性)といった声があります。
古い住宅では、段差が多い、階段が急である、浴室が寒いなど、高齢者にとって危険な箇所が多い場合があります。家の中で転倒し、それがきっかけで介護が必要な状態になるリスクも考慮されます。親の安全と健康を守るためにも、住宅のバリアフリー化の必要性について、早期に検討し、改修計画を立てることが望ましいでしょう。

実家の心配事について親と話し合いができているか

実家の心配事について親と話し合いができているか

実家の心配事について親と話し合いができているか尋ねたところ、「十分できている(2.4%)」「多少できている(16.6%)」と回答した人は合わせて19.0%に留まりました。この結果は、多くの家庭で実家問題に関する具体的な話し合いが十分にできていない現状を示しています。

話し合いができている理由

話し合いができている家庭からは、「親から積極的に家の状況について説明がある。自分が元気なうちに話し、相談して取り決めておきたいと言われた」(30代 女性)や、「両親が両方とも不在になったときの話や、ひとりになったときの実家のありかたはいろいろ話している。そもそもとても仲がよく、1週間に1度ほど会うので」(40代 女性)といった声が聞かれました。
これらの意見からは、親が終活や相続への意識を高く持っていること、そして親子間の日常的なコミュニケーションが円滑であることが、話し合いを進める上での重要な要素であることが伺えます。また、親が亡くなった後に具体的な話し合いの場が設けられたケースも存在します。

話し合いができていない理由

一方で、話し合いができていない家庭からは、「まだ先のことだと思っているのと、両親も考えて準備してると思うので」(20代 女性)、「親が元気なため切り出しにくい。離れて住んでいるため状況が把握しきれていない」(40代 女性)、「親は認知症で、会話が成立しないため」(50代 男性)といった理由が挙げられました。
「話を切り出しにくい」という理由が多く、親の死を連想させる話題であることや、お金の話になることへのためらいが背景にあると考えられます。また、親が元気であることから「まだ考える必要がない」と感じる子世代もいます。親と離れて暮らしている場合、話し合いの機会や時間が不足していることも課題として認識されています。

実家の心配事について親と話し合いやすいタイミング

実家の心配事について親と話し合いやすいタイミング

「どのようなタイミングであれば、実家の心配事について親と話し合いやすいと思うか」という質問に対し、最も多かった回答は「親の体調が変化したとき(37.3%)」でした。次いで「帰省したとき(31.1%)」も3割以上の人が挙げています。

  • 「親の健康状態の変化を感じたとき。親にとっては苦しいかもしれないが、何かしらで入院したときなどが、一番深く話せるのではないかと考えています」(20代 女性)

  • 「年末年始やお盆など、家族が実家に集まるタイミングが話しやすいと思います。全員が落ち着いて話せるときに、いきなり処分の話をするのではなく、将来の希望を少しずつ確認したいです」(30代 男性)

  • 「両親から言ってくれる方が話しやすいかもしれない。私からは言い出しにくい」(40代 女性)

  • 「親戚の家で不幸があったタイミングや、隣の家が売りに出ていたタイミングなど」(50代 女性)

これらの意見からは、親や地域に何らかの変化があった際に、実家問題について話しやすくなると感じている子世代が多いことが分かります。親が高齢になり健康面での不安を感じたり、身近な同年代の人が亡くなったりすると、親自身も実家の継承や相続について考えるようになる傾向があります。また、近所に空き家ができることで、自身の実家の将来について考えるきっかけになることもあります。
具体的なタイミングとしては、年末年始やお盆などの帰省時やお墓参りが挙げられます。家族が集まる機会は、実家という「家族みんなにとって大切な話題」について話し合う良い機会となるでしょう。

親が高齢になった実家における最終的な希望

親が高齢になった実家における最終的な希望

親が高齢になった実家における最終的な希望を尋ねたところ、1位は「親に決めてほしい(36.3%)」でした。2位「処分する(30.3%)」、3位「家族の誰かが住む(24.4%)」が続きます。

1位 親に決めてほしい

「親が元気なうちに方針を決め、可能であれば処分してほしい」(20代 女性)や、「言っても聞かないから、本人が納得できるかたちを取れれば」(30代 女性)といった声が示すように、子世代は実家の所有者である親の意向を尊重したいと考えています。具体的な作業は子世代が行うとしても、最終的な方針決定は親に委ねたいという意向が強いようです。
この背景には、「親の所有物だから親が決めたら誰も文句は言わない」「自分の意見は聞いてもらえないから」「自分では判断できないから」といった理由が考えられます。親が生前に実家の処分までを済ませておくことで、子世代は判断や作業の負担を軽減できるというメリットも生まれます。

2位 処分する

「住みやすい家ではあるので、自分の代までは残して、自分がある程度の年齢になったら処分したい」(20代 女性)や、「最終的に父母が亡くなったあとは住む人がいなくなるので、家と土地は手放したい」(30代 男性)といった意見が寄せられています。
住む人がいなくなった実家は、維持費や管理の手間がかかるため、処分を検討する子世代も多くいます。思い入れのある実家を処分することには精神的なハードルがあるものの、活用できていない実家が負担となることを避けるため、処分が妥当と考える傾向が見られます。

3位 家族の誰かが住む

「思い入れのある家なので、親族の誰かが住んでくれると嬉しい。自分が住んでもいいとも考えている」(20代 女性)や、「最終的には私が実家を引き継いで住むのが一番の希望です。そのためにも、親が元気なうちに『大事にとっておいてほしいもの』に印をつけるなどして荷物を整理し、修繕が必要な場所をあらかじめ共有して、スムーズに引き継げる状態を作りたい」(30代 男性)といった声があるように、実家を住み継ぐことを理想と考える子世代もいます。
実家を残し活用したい理由としては、経済的なメリットや、家に対する思い入れが挙げられます。誰かが住むことで空き家状態を防ぎ、日常的な手入れも継続できるという利点があります。

4位 今後話し合って決める

「とりあえずみんなが納得できるような話し合いをしておきたい」(30代 女性)や、「きちんと話し合いができるうちに、方針を固めたいとは思っています」(40代 女性)といった回答は、現時点では具体的な希望を持たず、今後家族間で話し合いを通じて方針を決定したいという意向を示しています。
親が生きていて判断ができるうちに話し合いを進めることの重要性が認識されています。親が方針を残さないまま亡くなってしまうと、残された家族間での話し合いが難航する可能性があるため、早期の対話が不可欠です。

5位 賃貸化する

「自分の代でリノベして貸家にするなど、使い道はいくらでもあると思う」(30代 女性)や、「マンションや駐車場などにして、何らかの収入源にしたい」(40代 女性)といった意見があるように、実家を所有し続けながら賃貸化などで活用することを検討する子世代もいます。
立地や地価の上昇が期待できる不動産の場合、このような「所有しながら活用する」という選択肢が現実的になります。家そのものを貸す、アパートなどに建て替える、駐車場にするなど、様々な活用方法が考えられます。

まとめ

親が高齢になった際の実家に関する心配事は、「荷物の片付け」「不動産の管理」「家にかかる費用」が上位を占めることが、今回の調査で明らかになりました。親が生きていても、体力や経済力の低下は子世代に新たな負担をもたらす可能性があります。
また、実家の将来に対する先行きの不透明さも、子世代の大きな不安要因となっています。実家問題について親と話し合いができている人が2割未満であるという現状は、この不透明さをさらに増幅させていると考えられます。
こうした不安を軽減するためには、親が元気なうちから、帰省のタイミングなどを活用して、実家の将来について少しずつでも話し合いを進めることが極めて重要です。家族間でオープンな対話を重ねることで、具体的な対策を講じ、将来のトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
また、実家問題は多岐にわたるため、不動産、相続、終活など、それぞれの分野の専門家への相談も有効な解決策となり得ます。早期の情報収集と計画的な行動が、親と子世代双方にとって安心できる未来を築くための鍵となります。

出典元

本調査結果の詳細は、訳あり物件買取プロにて公開されています。
URL:
https://wakearipro.com/elderly-parents-home/

訳あり物件買取プロについて

株式会社AlbaLinkが運営する訳あり不動産の情報メディア「訳あり物件買取プロ」は、何かしらの「ワケ」があって売れない不動産の問題解決方法や、運用方法に関する情報を発信しています。専門家による信頼性の高い情報提供と、無料相談、直接買取にも対応しています。
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株式会社AlbaLinkについて

AlbaLinkは、「事業を通じて未来をつなぐ」をコンセプトに、訳あり不動産の買取再販業を行う不動産会社です。事故物件、共有持分、空き家、底地借地など権利関係の難しい物件などをメインに取り扱い、不動産問題に悩むすべての方に手を差し伸べます。
会社URL:
https://albalink.co.jp/company/

この記事を書いた人
終活専門ライター:榊原郁美
榊原 郁美

40代前半のウェブライター。関東在住。大学卒業後、出版社で編集アシスタントとしてキャリアをスタートし、記事制作や校正業務に携わる。その後、一般企業の広報部門へ転職し、社内外向けのコンテンツ制作や情報発信を担当。「読み手に伝わる文章」を追求する中でライティングスキルを磨く。

結婚・出産を機に働き方を見直し、在宅で活動できるフリーランスのウェブライターへ転身。現在は、ライフスタイル、子育て、ビジネス、キャリア、健康・美容など幅広いジャンルで執筆している。丁寧なリサーチと、読者目線に立ったやさしく分かりやすい文章に定評がある。

SEOを意識した記事構成やキーワード選定にも対応可能で、オウンドメディアやブログ記事、コラム執筆などを中心に活動中。クライアントの意図を汲み取りながら、信頼感のあるコンテンツ制作を心がけている。

趣味は読書と散歩、季節の料理づくり。日常の中にある小さな発見を大切にしながら、暮らしに寄り添う文章を発信している。

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