海洋散骨の費用に関する意識調査:約72%が「10万円以内」を希望、依頼では「信頼性・実績」を最重視
近年、供養の選択肢として「海洋散骨」が注目を集めています。お墓を持たずに故人の遺骨を海に還すこの方法は、自然への回帰という思想や、永代供養にかかる費用や手間を抑えたいというニーズに応えるものとして、その関心が高まっています。しかし、その具体的な費用相場や、サービス提供者を選ぶ際の基準については、まだ一般的な認識が確立されているとは言い難い状況です。
このような背景のもと、株式会社NEXERと遺骨供養ウーナは共同で、海洋散骨に関する費用感と価格妥当性についてのアンケート調査を実施しました。本調査は、海洋散骨を知っていると回答した全国の男女400名を対象とし、利用者の意識やニーズを詳細に分析することで、海洋散骨業界における現状と課題を明らかにすることを目的としています。
調査概要
本調査は、インターネットアンケート形式で実施されました。調査期間は2026年5月22日から5月28日までで、事前調査で海洋散骨を知っていると回答した全国の男女400名が有効回答者となりました。
質問内容は以下の通りです。
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質問1: 海洋散骨にかかる費用について、どのくらいの金額をイメージしていますか?
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質問2: 自身または家族の海洋散骨に「支払ってもよい」と思う金額はいくらまでですか?
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質問3: その金額を選んだ理由を教えてください。(自由記述)
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質問4: 海洋散骨を依頼するうえで、価格よりも重視したいことはありますか?(複数選択可)
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質問5: その理由を教えてください。(自由記述)
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質問6: 相場よりも「価格が安すぎる業者」に対して不安を感じますか?
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質問7: 不安に感じることを具体的に教えてください。(自由記述)
これらの質問を通じて、海洋散骨に対する一般的な費用イメージ、実際に支払っても良いと考える金額、そして業者選定における優先順位や懸念事項が詳細に把握されました。
海洋散骨の費用イメージ:「5万円~15万円」が最多も、認識にはばらつき
まず、海洋散骨にかかる費用について、回答者がどのような金額をイメージしているかが調査されました。

この質問に対し、最も多かった回答は「5万円~15万円」で40.8%を占めました。次いで「~5万円」が29.8%、「15万円~30万円」が18.5%、「30万円以上」が11.0%という結果です。
「~5万円」と「5万円~15万円」を合わせると約7割が「15万円未満」をイメージしており、全体的には海洋散骨が高額な供養方法ではないという認識が浸透していることがうかがえます。しかしながら、「30万円以上」と回答した層も1割程度存在することから、費用感にはかなりのばらつきがあることも明らかになりました。これは、海洋散骨の費用が業者やプランによって大きく変動すること、そしてまだ一般に明確な相場が広く知られていない現状を反映していると考えられます。
実際に「支払ってもよい」と考える金額:72.0%が「10万円未満」を希望
次に、自身または家族の海洋散骨に「支払ってもよい」と思う金額について調査が行われました。

この結果、「~10万円」と回答した人が72.0%と圧倒的多数を占めました。続いて「10万円~20万円」が19.0%、「20万円~30万円」が7.0%、「30万円~50万円」が1.5%、「50万円以上」が0.5%となっています。
費用イメージの設問では「5万円~15万円」が最多であったのに対し、実際に「支払ってもよい」と考える金額では「10万円未満」に大きく集約される傾向が見られます。このギャップは、多くの人が海洋散骨に対して「イメージよりも費用を抑えたい」という意向を持っていることを示唆しています。
回答理由からは、以下のような多様な意見が寄せられました。
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「~10万円」と回答した方: 「残るものではないのでさほど高くは出せない」(20代・女性)、「船のチャーター代がそのくらいかなと思った」(30代・女性)、「何でそんな高くなるわけがわからない」(30代・女性)など、費用対効果や価格の妥当性に対する疑問が散見されます。
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「10万円~20万円」と回答した方: 「高過ぎず安過ぎず、ちょうどよい金額だから」(30代・女性)、「色々な作業込みでそれぐらいの費用が妥当だと思うから」(30代・女性)といった、適正価格を模索する声が聞かれました。
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「20万円~30万円」と回答した方: 「どのお葬式にもそれくらいはかかるから」(20代・女性)、「大事に散骨したいから」(30代・男性)、「船を出す費用とお墓と違って後々のメンテナンス費用等がないことを考慮してこのくらいまでなら出せると考えた」(40代・男性)というように、他の供養方法との比較や、維持費がかからないというメリットを考慮した上で、一定の金額を許容する見方も存在します。
これらの回答から、費用に対する考え方は、故人への思いや死生観、そして他の供養方法との比較によって大きく異なることがうかがえます。
価格よりも重視したいこと:「業者の信頼性・実績」が最優先
海洋散骨を依頼する際に、価格よりも重視したいことについて複数選択形式で質問が行われました。

結果として、最も多かったのは「業者の信頼性・実績」で49.0%でした。次いで「法令・マナーの遵守(散骨海域や手続き)」が42.8%、「船の安全性・設備」が35.0%、「粉骨(遺骨を粉末化する作業)の丁寧さ」が33.8%、「散骨証明書の発行有無」が32.8%、「スタッフの対応や説明の丁寧さ」が28.3%と続きました。一方、「価格が最優先」と回答した人は24.3%にとどまっています。
この結果は、約4人に3人が価格以外の要素を重視していることを示しており、海洋散骨においては「誰に・どのように依頼するか」が非常に重要視されている実態が明らかになりました。散骨という性質上、遺骨が海に還された後の具体的な状況を目で見て確認することが困難であるため、依頼する業者への信頼がとりわけ重視される傾向にあると推察されます。
具体的な回答理由からは、以下のような意見が見られました。
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「業者の信頼性・実績」を選んだ方: 「自然を汚す行為になると思うので、下準備と手続きはしっかりしてほしい」(30代・女性)、「あとあと問題になりたくない」(30代・女性)、「万が一違法なことをしていたら困る」(30代・女性)といった、環境への配慮や法的な問題発生への懸念が強く示されています。
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「法令・マナーの遵守(散骨海域や手続き)」を選んだ方: 「したかしてないかわからないと意味ない」(20代・女性)、「法令を守らない業者には気持ちよく依頼できない」(30代・女性)といった、供養の確かさや安心感を求める声が目立ちます。
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「船の安全性・設備」を選んだ方: 「行くときに事故などにあいたくない」(30代・女性)、「安心して散骨できる環境が欲しい」(30代・女性)など、参列者自身の安全確保への意識がうかがえます。
これらの意見は、単に費用が安いだけでなく、供養が適切かつ確実に執り行われることへの強い要望を反映しています。
安すぎる業者への不安:約77%が「不安を感じる」と回答
最後に、相場よりも価格が安すぎる業者に対して不安を感じるかどうかが質問されました。

この問いに対し、「とても不安を感じる」が27.5%、「やや不安を感じる」が49.3%となり、合計で76.8%の人が何らかの不安を感じると回答しました。一方で、「あまり不安を感じない」は15.3%、「まったく不安を感じない」は8.0%にとどまりました。
この結果は、約4人に3人が安すぎる価格設定に対し不信感を抱くという、消費者の一般的な感覚を示しています。通常の買い物であれば「安い=お得」と捉えられがちですが、故人を弔うという神聖な場面においては、価格の安さがサービスの質や信頼性への疑念に直結することが明らかになりました。
具体的な不安の内容としては、以下のような声が挙げられています。
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「安すぎると、ちゃんと資格を持っているのか、許可を持っているのか不安」(30代・女性)
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「他よりも安いという事は何かを削っているという事だと思うので目に見えて分かりにくい安全性の部分等が削られてそうで不安」(40代・男性)
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「費用が安すぎると無許可でやっているところがあるから」(40代・女性)
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「散骨していい海域や禁止されている海域等をしっかり理解して行っているか、数名分をある程度集まってまとまって散骨しているのはないか、実際に散骨した場所と証明書の場所が異なるのではないか」(60代・男性)
これらのコメントからは、無許可営業、サービスの質の低下、不適切な散骨方法など、多岐にわたる懸念が示されています。価格の安さが、法令遵守や倫理的な問題、さらには供養としての確かさに対する不信感へとつながっていることが明確に表れています。
結論と考察
今回の調査結果から、海洋散骨に対する利用者の意識が多角的に明らかになりました。
まず、費用イメージとしては「5万円~15万円」が最多である一方で、実際に「支払ってもよい」と考える金額は「10万円未満」が7割以上を占めるというギャップが存在します。これは、海洋散骨への関心が高まる中で、費用を抑えたいというニーズが強く存在することを示唆しています。
しかしながら、価格の安さだけを追求するのではなく、多くの人が「業者の信頼性・実績」「法令・マナーの遵守」「船の安全性・設備」といった、品質や信頼性に関わる要素を価格以上に重視していることが明らかになりました。特に、安すぎる業者に対しては76.8%もの人が不安を感じており、これは供養という大切な行為において、「安かろう悪かろう」という懸念が強く働くことを示しています。
この結果は、海洋散骨サービスを提供する事業者にとって、単なる価格競争に終始するのではなく、サービスの透明性、信頼性、そして法令遵守の徹底が極めて重要であることを示唆しています。利用者側も、海洋散骨を検討する際には、提示された費用だけでなく、以下の点を確認することが、後悔のない選択につながるでしょう。
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業者の実績と評判: 長年の経験や利用者の声を確認する。
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法令遵守と許認可: 散骨に関する法規制やマナーを遵守しているか、必要な許認可を得ているか。
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サービス内容の詳細: 粉骨の丁寧さ、散骨証明書の発行、スタッフの対応、船の安全性など、提供されるサービスの質を具体的に確認する。
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費用内訳の明確さ: 何にどれだけの費用がかかるのか、追加料金が発生しないかなどを明確にする。
海洋散骨は、故人との新しいお別れの形として、今後さらに社会に浸透していく可能性を秘めています。その普及と健全な発展のためには、利用者と事業者双方の信頼関係構築が不可欠であり、本調査がその一助となることが期待されます。
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