資本金100万円で挑む「終活株式会社」の設立
本企画発表会の舞台となったのは、麗澤大学工学部内に国内初として設置された「相続工学研究センター」による全学対象講義の最終講義です。この発表会の最大の特徴は、単なるビジネスアイデアの提案に留まらない点にあります。学生たちは「CEO」「事業担当」「プラットフォーム担当」「マーケティング担当」「財務担当」といった実際の企業と同様の役職を分担しました。
「資本金100万円を元手に、いかに利益を出し、社会に貢献していくか」という、現実的なビジネスプランの構築が求められ、学生たちはその課題に真剣に取り組みました。この実践的なアプローチは、学生たちが机上の空論ではなく、具体的な経営資源と社会貢献を意識したビジネス思考を養う貴重な機会となりました。

Z世代が提案する多彩な終活ビジネスアイデア
本イベントでは、以下の8つの仮想企業(グループ)から、現代社会の多様なニーズに対応する終活ビジネスアイデアが提案されました。

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株式会社メモリアルサポート: 継承しやすい未来型のお墓
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株式会社ケアバンク: 終活のための積み立て運用サービス
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株式会社LOOP: 遺品出品代行サービス ~RE:MEMORY~
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株式会社カナエール: WISH LIST×夢をかなえる事業 LIVIT
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株式会社春夏お団子: 終活.com
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株式会社 IIS Life: 生前資産現金化サービス
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株式会社未完旅行社: あなたの人生に、最後の冒険を。
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株式会社ふぁあすとすてっぷ: 終活セミナー
これらのアイデアは、少子高齢化、デジタル化の進展、サステナビリティへの意識の高まり、そして「おひとりさま」問題といった現代社会が直面する様々な課題に対する、Z世代ならではの視点と解決策を示しています。
デジタルネイティブ世代が考える、新しい「思い出の残し方」
発表されたアイデアの中で特に注目を集めたのは、デジタルツールや社会課題への視点を取り入れたサービスです。
「株式会社LOOP」が提案した遺品出品代行サービス「RE:MEMORY」は、終活における「不要な衣類やアクセサリーの所持問題」に着目しました。このサービスは、故人の遺品をフリマアプリで代行出品し、販売利益の15%を手数料として受け取る仕組みです。サステナビリティやリユース意識の高まり、そしてフリマアプリ文化が定着した現代の市場環境を的確に捉えたビジネスモデルと言えます。

この事業は、メンバーの一人が実際に祖母を亡くした際、大量の遺品整理に直面したという実体験から着想を得ています。「思い出の詰まった品々をただ処分するのではなく、次に必要とする人へ繋ぎたい」という強い思いが、遺族の精神的・物理的な負担を軽減しつつ、故人の生きた証に新たな価値を見出すビジネスへと昇華されました。
また、「株式会社カナエール」の「WISH LIST×夢をかなえる事業 LIVIT」は、人生でやり残したことを叶える体験型サービスです。家族旅行や憧れの体験などをオーダーメイドやパッケージプランとして提供します。さらに、夢を叶える瞬間をInstagramやTikTokなどのSNSで発信することで新規顧客の獲得を狙うという、現代的なマーケティング戦略も発表されました。

「お金」と「おひとりさま」問題に対するプラットフォーム構築
一方で、現実的な社会課題に対して実践的な解決策を提示した企画も登場しました。
「株式会社ケアバンク」が発表したのは、老後の終活資金に対する不安を解消するための「積み立て運用サービス」です。信託銀行などの定期積立の仕組みを活用しつつ、自社は資金預かりを行わず、公式LINEでの「やりたいこと診断」やAI終活アプリを提供します。金融機関へ顧客を送客することで手数料を得るという、プラットフォーム型のビジネスモデルです。終活における資金計画の重要性が増す中、このようなサービスは多くの人々に安心を提供する可能性があります。

さらに、「株式会社 IIS Life」による「生前資産現金化サービス」は、身寄りのない高齢者が直面する空き家や遺品整理の課題にアプローチしました。資産を査定して現金化し、遺産を自社で相続するというスキームを発表しました。介護施設や不動産会社と連携することで、独り身の高齢者を包括的にサポートする姿勢が示されました。これは、増加する「おひとりさま」世帯における終活の具体的な課題に対応する、非常に現実的な提案と言えます。

他にも、管理する家族がいない、宗教にこだわらない人の増加といった社会背景を踏まえ、清潔感と信頼性を重視したマンション型墓地を提案した「株式会社メモリアルサポート」や、旅行が困難な方へ最後の冒険を提供する「株式会社未完旅行社」など、多彩な切り口のサービスが披露されました。終活に関する情報提供や相談をサポートする「株式会社春夏お団子」の「終活.com」、終活への第一歩を支援する「株式会社ふぁあすとすてっぷ」の終活セミナーも、現代のニーズに応える内容でした。




プロの目で本気審査!教員賞・学生賞に輝いたのは?
プレゼンテーション終了後には、参加学生による投票(学生賞)と、麗澤大学徳永学長、株式会社ルリアン代表取締役社長の小西氏、同社社外取締役の吉田衣里氏らによる採点(教員賞)が行われました。
審査は、経営的視点、現場・リーガル視点、教育的視点という多角的な基準で実施されました。その結果、学生賞には「株式会社 IIS Life」が、教員賞には「株式会社LOOP」がそれぞれ選ばれました。

審査員からは、「持ち物の整理を通じて、人生の価値を再発見するというテーマは非常にメッセージ性があり、あたたかい終活を感じることができた」といった講評が寄せられました。これは、学生たちが現実のビジネス課題に向き合い、単なる利益追求に留まらない、社会貢献性の高い実践的な学びを深めたことが高く評価された結果と言えるでしょう。

AI時代だからこそ求められる「個性」
発表会の総括として、麗澤大学工学部の大澤義明教授から学生たちへメッセージが贈られました。
大澤教授は、現代におけるバズワードとして「AI」を挙げ、「『AIが全て解決してくれる』という風潮があるが、やはり『どういうデータを入れたか』『どういうことに役立つか』を具体的に説明し、『人間の力をどう引き出せるか』を考えることがポイントになる。人間がやりたいことや、どうやって実現するかまで考えないと、うまくいくことはない」と指摘しました。これは、AIの活用が不可欠となる現代社会において、人間独自の思考力や創造性が依然として重要であることを示唆しています。

さらに、プロジェクトを進めるうえで生じる壁をどう突破するかについて、「それは『個性』だと思う。自分自身の生きてきた経験や生きる力から出てくるもの」と強調しました。そして、「皆さんにはそれぞれの個性があるのだから、自信を持って、それを大事にしながら生きていってほしい」と述べ、AI全盛の時代における人の強み、すなわち個性の重要性について語り、学生たちにエールを送りました。
終活の新たな可能性と次世代への期待
今回の麗澤大学の学生たちが提示したアイデアは、「死への準備」という従来の終活のイメージを超え、「人生を最後まで楽しむための前向きな活動」としての終活のあり方について、新たな可能性を示すものとなりました。デジタルネイティブであるZ世代が、自身の経験や現代社会の課題を深く考察し、多様な視点からビジネスモデルを構築したことは、今後の終活業界に大きな影響を与えることでしょう。
次世代を担う学生たちが、今後どのように社会課題と向き合い、その解決に貢献していくのか、その活躍に大きな期待が寄せられます。
株式会社ルリアンの公式サイトはこちらからご覧いただけます。
https://www.le-lien.co.jp/



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