【終活に関する意識調査】子どもがいる層でも「おひとり様」を実感する現代の終活実態と課題
2026年5月19日、葬儀社紹介サービス「安心葬儀」を運営する株式会社エス・エム・エスは、全国の60歳以上の男女11,528人を対象に「自身の終活に関する調査」を実施し、その結果を発表しました。
本調査は、現代の高齢者が自身の終活に対しどのような意識を持っているのか、特に「おひとり様」という状況をどのように捉えているのかを深く掘り下げたものです。その結果からは、家族構成に関わらず終活における心理的な孤立や、具体的な準備への戸惑いなど、多岐にわたる実態が明らかになりました。
調査結果サマリ
今回の調査により、以下の点が主な結果として示されました。
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60歳以上の約3割が、自身が死後、身近に頼れる人がいない「おひとり様」であると自認しています。
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子どもがいる人であっても、6人に1人以上が「おひとり様」であると実感しています。
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死後について頼れないと感じる理由として、子どもがいる人では「子どもに迷惑をかけたくないから」が最も多く挙げられました。
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死後のことについて、子どもがいる場合でもいない場合でも、3割を超える人が悩みを抱えていると回答しています。
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死後の手続きにおいては、「不動産の管理・売却手続き」や「行政の手続き」、「葬儀」、「死亡時の連絡」は比較的任せられる人が多い一方で、デジタル遺品や供養については頼れる人が少ない傾向が見られました。
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自身の死後の手続きにかかる費用を50万円から200万円と想定している人が多く、そのうち4割以上が「すでに全額準備できている」と回答しています。
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エンディングノートの認知度は、子どもがいる・いないに関わらず9割を超えていますが、実際に書いている人の割合は子どもがいる人のほうが多い結果となりました。
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エンディングノートを書かない理由としては、「何からどう書けばいいのかわからないから」が最多でした。
調査結果詳細
1. 60歳以上の約3割が「おひとり様」を自認
調査対象となった60歳以上の男女11,528人のうち、約3割にあたる29.6%が、死後、身近に頼れる人がいない「おひとり様」である、または近い将来そうなるだろうと感じていることが明らかになりました。この結果は、現代社会における高齢者の「死後の孤立」が広く認識されている現状を示唆しています。

さらに注目すべきは、子どもがいる人であっても、17.6%(6人に1人以上)が自身を「おひとり様」であると実感している点です。これは、単身世帯ではないにもかかわらず、終活において心理的な孤立を感じている層が存在することを示しています。一方、子どもがいない人では57.3%が「おひとり様」を実感しており、家族構成が「おひとり様」意識に大きく影響を与えることも改めて確認されました。

2. 死後について頼れないと感じる理由
「おひとり様」であると感じていると回答した人々に対し、その理由を尋ねたところ、子どもがいる人の場合、「子どもに迷惑をかけたくないから」が65.5%と最も多く挙げられました。この結果は、親が子を思う気持ちが、結果として終活における「心理的孤立」を生み出している可能性を示唆しています。子どもに負担をかけたくないという配慮が、自身の死後の準備を誰にも相談できない状況につながっていると考えられます。
子どもがいない人の場合も、「単身世帯だから」が64.4%と最も高く、次いで「親族と疎遠だから」が23.4%と続くなど、環境的な要因が強く影響していることが分かります。しかし、子どもがいる場合もいない場合も、他者に負担をかけたくない、あるいは頼れる関係性がないという共通の課題が見受けられます。

3. 死後のことに関する悩み
死後のことについて、誰にも相談できずに悩みを抱えている人の割合は、子どもがいる場合でも32.1%、いない場合でも36.3%と、いずれも3割を超えています。この数値は、多くの高齢者が終活に関して漠然とした不安や具体的な疑問を抱えながらも、それを打ち明ける相手を見つけられずにいる実態を浮き彫りにしています。

具体的な悩みとしては、「何を想定したらよいかわからない」「誰にも相談できない」といった漠然とした不安から、「子どもに家の片づけの負担や役所の手続きで迷惑をかけたくない」「自分が大切にしているものが、ただのゴミとして処理されてしまうのではないかと心配」といった具体的な懸念まで多岐にわたります。配偶者や子どもがいないケースでは、「兄弟は遠隔地に居住しており、高齢になった場合、自分の死後の整理のために来てもらうことが難しい可能性を考えると、その他に頼める人が思い当たらない」といった切実な声も寄せられています。
4. 死後の手続きの依頼状況
「死後の手続き」において、現時点で誰に任せられるかという問いに対し、「誰にも頼めない」と回答した割合が最も低かったのは「自宅などの不動産管理・売却手続き」(16.6%)でした。次いで「死亡届、年金・保険の停止などの行政の手続き」(17.4%)、「葬儀」(17.4%)が続き、これらの手続きについては親族に頼れると考える人が多い傾向が見られました。
しかし、「デジタル遺品」(24.9%)や「供養」(22.2%)に関しては「誰にも頼めない」の割合が高く、現代社会特有の新たな課題として浮上しています。特にデジタル遺品は、その性質上、家族であっても内容を把握しづらく、適切な処理が難しいという実態が反映されていると考えられます。

5. 死後手続きにかかる費用想定と準備状況
自身の「死後の手続き(葬儀・お墓・片付け・事務手続き等)」にかかる費用について、「おひとり様」であると自認している人々の想定では、50万円~100万円未満、および100万円~200万円未満がいずれも22.2%と最も多く、合わせて44.4%が50万円~200万円の範囲で費用を見積もっていることが分かりました。これは、終活にかかる費用に対する一定の認識が広がっていることを示しています。

さらに、想定した費用に対する準備状況を尋ねたところ、47.9%が「すでに全額準備できている」と回答しました。この結果は、「おひとり様」と自認する人々が、自身の死後に発生する費用に対して高い自己責任意識を持ち、自助努力で準備を進めている現状を強く示唆しています。自立した形で終末期を迎えたいという強い意思がうかがえます。

6. エンディングノートの認知度と作成状況
エンディングノートの認知度は、子どもがいる・いないに関わらず9割を超えており、その存在は広く知られています。しかし、実際に作成している人の割合は、子どもがいる人で16.0%(紙で書いている6.2%+デジタルで書いている9.8%)、子どもがいない人で5.2%(紙で書いている2.4%+デジタルで書いている2.8%)と、子どもがいる人のほうが約3倍高い結果となりました。
作成形式については、紙とデジタルがほぼ同程度の割合で利用されており、個人の好みに応じた選択肢が広がっていることが分かります。デジタルでの作成も一定数存在することは、今後の終活支援において、多様なツール提供の重要性を示唆しています。

7. エンディングノートを作成しない理由
エンディングノートを作成していない理由として、子どもがいる・いない両方の層で最も多く挙げられたのは「何からどう書けばいいのかわからないから」でした(子どもあり38.0%、子どもなし33.8%)。次いで「書くのが面倒だから」(子どもあり35.2%、子どもなし28.4%)が続きます。
この結果は、エンディングノートの認知度は高いものの、具体的な作成方法や内容の整理に戸惑いを感じている人が多いことを示しています。終活を推進するためには、単にエンディングノートの存在を知らせるだけでなく、その書き方や項目立てに関する具体的なガイドラインやサポートが不可欠であることが示唆されます。

専門家による考察
株式会社エス・エム・エスのライフエンディング支援事業部 セールス&マーケティンググループ グループ長である大坪弘樹氏は、今回の調査結果について以下のコメントを寄せています。
「近年、『死生観の個人化』や『葬儀の簡素化』が進む中、誰にも頼らず最期を迎えようとする『死後の孤立』が顕著な社会課題となっています。誰もが安心して人生の終末期をデザインできるようにするには、葬儀サービス利用者の潜在的な不安をすくい上げ、事業者がその希望をかなえられる環境を整えることが不可欠です。」
「本調査は、現代の『おひとり様』のリアルな実態に迫り、ライフエンディングに関わる事業者が利用者の本音に寄り添うためのヒントを探る目的で実施しました。今回の調査により、60歳以上の約3割が自身を『おひとり様』と認識していることがわかりました。注目すべきは『子どもあり』の層においても、6人に1人が自身を『おひとり様』と自認している点です。この背景には『子どもに迷惑をかけたくない』という配慮があり、死後について誰かに頼れない理由の最多となっています。一人暮らしなどの環境的な要因による孤立だけでなく、家族がいてもあえて自立を選択し、結果として一人で死後の不安を抱える『心理的な孤立』の広がりが確認できる結果となりました。」
大坪氏のコメントは、調査結果が単なる物理的な孤立だけでなく、家族への配慮から生じる「心理的孤立」という新たな側面を浮き彫りにしていることを強調しています。これは、終活支援が単に身寄りのない人々に向けられるだけでなく、家族がいる人々に対しても、その心理的な負担を軽減し、安心して終末期を迎えられるようなアプローチが必要であることを示唆しています。
また、大坪氏はエンディングノートに関する調査結果についても言及しています。
「今回の調査結果では、手続きを人に任せられないという意識からか、『おひとり様』と自認している47.9%が想定される手続き費用の全額を準備しており、自身のことは自身で済ませるといった強い意思が見受けられました。また、本人の意思を伝えるエンディングノートについては、子どもがいる人のほうがいない人に比べ3倍以上作成していることが分かりました。しかし、作成しない理由は『何からどう書けばいいのかわからない』が最多であり、終活を推進していくためには、個人の自助努力に任せるだけでなく、具体的な書き方などを導くサポートが必要不可欠であることが示唆されました。」
この分析は、自己完結を望む意識が高い一方で、具体的な準備方法に関する情報やサポートが不足している現状を指摘しています。エンディングノートは、自身の意思を明確に伝えるための重要なツールでありながら、その作成に対するハードルの高さが課題として存在します。今後は、個々人が抱える漠然とした不安を解消し、具体的な行動へと繋げるための支援策が求められるでしょう。
安心葬儀の取り組み
「安心葬儀」は、葬儀のスタイル、予算、宗派など、利用者の希望条件に合う葬儀社を紹介するサービスです。単なる葬儀社の紹介にとどまらず、葬儀に関する基礎知識や独自に収集した調査データなどのコンテンツも提供しており、利用者が人生の終末期について安心して考えられるよう、多角的な視点から終活をサポートしています。
今回の調査結果も踏まえ、「安心葬儀」は、利用者が安心してライフエンディングを迎えられる環境を整えるため、引き続き葬儀に関する支援や調査を行っていくとしています。
安心葬儀の詳細については、以下のURLをご参照ください。
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安心葬儀公式サイト: https://ansinsougi.jp/
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安心葬儀 終活に関する調査詳細: https://ansinsougi.jp/p-383
まとめ
今回の「自身の終活に関する意識調査」は、現代日本の高齢者が抱える終活への意識と課題を深く理解するための貴重なデータを提供しました。特に、子どもがいる層においても「おひとり様」意識が浸透している現状や、家族に迷惑をかけたくないという配慮が心理的孤立につながっている点は、従来の終活支援のあり方を見直すきっかけとなるでしょう。
また、死後にかかる費用の準備が進んでいる一方で、エンディングノートの作成方法に戸惑う声が多いことは、情報提供と具体的なサポートの重要性を示唆しています。終活は、個人の意思を尊重し、安心して人生の終末期をデザインできる社会を築く上で不可欠なプロセスです。今後、よりきめ細やかな情報提供と支援体制の構築が、社会全体で求められることになります。本調査結果が、終活支援のさらなる発展に貢献することを期待します。


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