はじめに:年間100万頭のペットとの別れに直面する社会課題
現代社会において、ペットは単なる動物ではなく、かけがえのない家族の一員として多くの人々の生活に深く根ざしています。一般社団法人ペットフード協会による「令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査」では、国内の犬・猫の推計飼育頭数は合わせて約1,567万頭に上ると報告されています。この数字は、ペットがどれほど多くの家庭で愛され、共に暮らしているかを示しています。
一方で、飼育頭数とそれぞれの平均寿命(犬15歳、猫16歳)から単純計算すると、1年間に亡くなる犬・猫は約100万頭に相当すると推計されます。これは、同年に亡くなった日本人が約159万人という厚生労働省の統計と比較しても、ペットとの別れが人との別れに匹敵する規模で日常的に生じている現実を示唆しています。
しかしながら、人が亡くなった際には忌引休暇や各種手続きなど、悲しみを整理し、社会的なサポートを受けるための制度が確立されているのに対し、家族として共に暮らしてきたペットとの別れについては、依然として個人の問題として捉えられがちです。これにより、多くの飼い主がペットを失った際の深い悲しみや不安、いわゆる「ペットロス」を一人で抱え込み、精神的な負担を増大させるケースが少なくありません。
このような社会背景の中で、長年にわたり人との別れに向き合い、葬祭用品の製造販売を手掛けてきた三和物産株式会社は、ペットとの別れに関する飼い主の悩みや不安に応えるべく、新たな事業に着手しました。同社は「つながりが実感できる新たな別れのカタチをつくる」というミッションのもと、「死生観のリデザイン」を掲げ、死から生をポジティブに捉える社会の実現を目指しています。この哲学は、ペットとの別れにおいても同様に、飼い主が前向きにペットとの関係性を再構築し、心の平安を取り戻すための支援の必要性を強く認識するに至りました。
グリーフケアアプリ「コノコト」の誕生
三和物産株式会社は、ペットとの別れに起因する深い不安や悲しみ、すなわち「グリーフ」を抱える飼い主をサポートするため、株式会社kenmaとの共同開発、そして動物医療グリーフケアの第一人者である阿部美奈子氏の監修のもと、グリーフケアアプリ「コノコト」を開発しました。本アプリは、2026年8月20日(木)より提供が開始されています。
開発背景と目的
「グリーフ」とは、大切なものを失ったとき、または失うかもしれないと感じたときに生じる不安や悲しみのことを指します。これは、ペットとの関係性においても深く、そして普遍的に存在する感情です。特に高齢のペットと暮らす飼い主や、既にペットロスに悩む方々にとって、この感情とどのように向き合い、乗り越えていくかは重要な課題となっています。
「コノコト」は、このような飼い主がペットとの時間をより大切に過ごし、別れの準備や、別れ後の心の回復を支援することを目的としています。葬祭用品メーカーとして培った三和物産の知見と、ビジネスや製品・サービスのフラッグシップデザインを手掛ける株式会社kenmaの革新的なアプローチが融合し、専門家である阿部美奈子氏の監修によって、科学的かつ実践的なグリーフケアのメソッドがアプリとして具現化されました。
飼い主とペット双方のグリーフケア
「コノコト」の最大の特徴は、飼い主だけでなく、ペット視点でのグリーフケアという独自の考え方を取り入れている点にあります。ペットが病気になった際、飼い主が抱える不安や悲しみは、表情や態度を通じてペット自身にも伝わり、それがペットの不安を増大させるケースがあることが指摘されています。飼い主の心の状態が、ペットの精神状態に直接影響を及ぼすという認識に基づき、「コノコト」は飼い主が自身の気持ちや感情の変化を理解し、整理できるようサポートします。
飼い主が心の状態を安定させることは、結果としてペットにとっても安心できる環境を提供することにつながります。これにより、飼い主とペットの双方が、限られた時間をより質の高いものとして過ごせるよう支援することが、本アプリの重要な貢献点となります。

「コノコト」の主要機能と特徴
「コノコト」には、飼い主がペットとの関係性を深く見つめ直し、グリーフと向き合うための5つの主要機能が搭載されています。これらの機能は、動物医療グリーフケアの専門知識に基づいて設計されており、利用者が自身の感情を整理し、ペットとの思い出を大切にするための具体的な手段を提供します。
1. 動物医療グリーフケアの考え方をもとにした「50の質問」
本アプリの中核となる機能の一つが、動物医療グリーフケアの第一人者である阿部美奈子氏の監修のもと開発された「50の質問」です。利用者はこれらの質問に答えることで、ペットとの出会いから現在までの様々な出来事を振り返り、自身が抱える不安、悲しみ、後悔、そして感謝といった多岐にわたる感情を言語化し、整理することができます。このプロセスを通じて、ペットとの関係性や、今後の向き合い方について深く考察する機会が提供されます。
2. 気持ちを記録し、自分自身の変化を振り返る「今の気持ち」
日々の気持ちや感情を記録できる機能です。感情は常に変化するものであり、それを客観的に記録し、可視化することで、利用者は自分自身でも気づいていなかった心の状態を把握することが可能になります。この自己認識は、ペットとの限られた時間をより意識的に、そして大切に過ごすための重要なきっかけとなるでしょう。
3. 思い出を残す「アルバム」
ペットとの日常の何気ない瞬間や、特別なイベントの思い出を、写真や動画で記録し、整理・保存する機能です。アルバムを振り返ることで、ペットと過ごした時間の価値を再認識し、幸せな記憶をいつでも呼び起こすことができます。これは、グリーフケアにおいて、ポジティブな思い出を保持する上で極めて重要な要素となります。
4. 想いを言葉にする「手紙」
ペットへの感謝の気持ちや、伝えたいけれど伝えきれていない想いを自由に書き残せる機能です。言葉として感情を表現することは、自身の内面を整理し、ペットとの関係性を改めて見つめ直す上で非常に有効な手段です。手紙として残された言葉は、未来の自分にとっての心の支えとなる可能性も秘めています。
5. ペットとの歩みを振り返る「ヒストリー」
ペットとの出会いから現在までの出来事や思い出を時系列で整理できる機能です。このヒストリーを通じて、ペットとの長い道のりを俯瞰し、共に歩んできたかけがえのない時間の価値を再認識することができます。これは、ペットとの絆の深さを改めて感じ、未来へと続く心のつながりを確認する機会となります。

アプリ概要
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サービス名: コノコト
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提供開始日: 2026年8月20日(木)
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料金: ¥980(税込)/月 ※一部機能は無料で利用可能
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対応環境: iOS/Android
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公式サイト: https://konokoto.net
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主な機能: 50の質問、今の気持ち、アルバム、手紙、ヒストリー
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監修: 阿部美奈子氏
監修者 阿部美奈子氏からのメッセージ
「コノコト」の監修を務める獣医師・動物医療グリーフケアアドバイザーの阿部美奈子氏からは、本アプリが果たす役割と、飼い主自身のグリーフケアの重要性について、深い洞察に基づいたメッセージが寄せられています。
阿部氏は、ペットと出会った日の喜びや感動が、共に過ごす月日の中で「当たり前の幸せな毎日」へと変化していくことの尊さを指摘します。しかし、ペットの病気などによってその日常が揺らいでしまうと、飼い主は不安や心配(グリーフ)に飲み込まれ、笑顔で過ごすことが難しくなる現実があります。ペットにとって、飼い主と家庭は唯一の「安全基地」であり、その飼い主が笑顔を失うことは、ペット自身のグリーフにもつながると警鐘を鳴らします。

この状況を鑑み、阿部氏は「このコを守るためには、まず『自分自身のグリーフケア』をすることが大切です」と強調します。飼い主が笑顔を取り戻し、ペットとの暮らしを全うすることこそが、ペットへの最高のプレゼントであるとの見解を示しています。
阿部氏はこれまでに、『犬と私の交換日記』、『猫と私の交換日記』の2冊の書籍を通じて「このコ目線」のグリーフケアについて発信してきました。アプリ「コノコト」は、これらの書籍で語られてきた内容を収録し、スマートフォンでいつでも手軽にグリーフケアに取り組めるよう開発されたものです。阿部氏は、深い愛情を注いできたペットとの別れ、すなわちペットロスは必然的に訪れるものであるからこそ、ペットと過ごしてきた思い出を「お守り」として、これからも共に毎日を続けていくための安心感を提供する「お守りのようなアプリ」になることを願っています。
今後の展望と社会貢献
「コノコト」は、その提供開始を皮切りに、社会におけるペットのグリーフケアの普及と定着を目指し、多角的な展開を計画しています。
今後は、全国の動物病院を中心に、ペット葬儀社、ペット霊園、ペット販売店といった関連事業者との連携を強化していく予定です。これにより、本サービスを真に必要としている飼い主の方々へ、より広範にアプリを届ける体制を構築していきます。これらの連携は、ペットの終末期医療や喪失後のケアにおいて、「コノコト」が専門的なサポートツールとして活用される基盤を築くことでしょう。
さらに、アプリ内でのサポートに留まらず、オフラインイベントやセミナーなどを積極的に開催していく方針です。これらの場を通じて、ペットとの別れやグリーフケアについて、飼い主同士が経験を共有し、専門家から学ぶ機会を提供することで、よりオープンに議論し、支え合うことができる社会の実現に貢献します。対面での交流は、アプリだけでは得られない共感や安心感を生み出し、グリーフケアの質を高めることが期待されます。
三和物産株式会社は、これらの取り組みを通じて、2031年までに国内のペット飼育者約1,000万人のうち、1割にあたる100万人に「コノコト」の利用を拡大することを目標としています。この目標達成は、多くの飼い主がペットとの別れに際して適切なサポートを受けられる社会の実現を意味し、ペットと共生する社会の質を向上させる上で極めて重要なマイルストーンとなるでしょう。
三和物産株式会社の「死生観のリデザイン」への取り組み
「コノコト」の事業主体である三和物産株式会社は、「つながりが実感できる新たな別れのカタチをつくる」というミッションを掲げる葬祭用品メーカーです。同社は、日本において死や別れがタブー視されがちな現状に対し、「死生観のリデザイン」という哲学を提唱しています。これは、死という避けられない事象をネガティブなものとして捉えるだけでなく、生をポジティブに考え、より豊かに生きるための視点として再構築することを目指すものです。この壮大な目標達成のため、同社は日々様々な革新的な取り組みを行っています。
棺になる人生最後のベッド「ラストベッド」の開発

三和物産が開発した「ラストベッド」は、従来の棺の概念を覆す新しい提案です。この製品は、生前のベッドとして使用でき、出棺時にはベッド型から棺型へと姿を変えることができます。棺の側面を180度外側に開くことができる設計により、大切な故人のそばに、身体的にも心の面でもこれまで以上に近づくことを可能にしました。「ありがとう」「お疲れさま」といった感謝や敬意の言葉を自然に伝え、最後まで温かなつながりを感じながら見送るといった、新しい別れのあり方を提案しています。これは、故人との最後の時間をよりパーソナルで心温まるものにするための、同社の深い配慮が具現化された製品と言えるでしょう。
人生のヒントを見つける体験型イベント「死ンキングナイト」

「死生観のリデザイン」の一環として、三和物産は体験型イベント「死ンキングナイト」を定期的に開催しています。このイベントは、誰にでも訪れる「終わり」について考えることを通じて、人生をより豊かに生きるためのヒントを見つけることを目的としています。過去には東京・渋谷の【東京カルチャーカルチャー】で第3回目が開催され、来場者は「死ンキング16タイプ診断」や「入棺体験」、京都芸術大学の学生とのコラボアプリ「いのちのろうそく」などを体験しました。死をタブー視せず、積極的に対話の対象とすることで、参加者自身の生を見つめ直すきっかけを提供しています。
骨壺アートフェア「A・LIFE・FROM・DEATH ― 死を日常に取り戻す、アートとしての骨壺展 ―」

「死を感じる場を日常へ」というコンセプトのもと、三和物産は工芸をアートとして提案するB-OWNDと共同で骨壺アートフェアを開催しました。このアートフェアでは、国内外で高い評価を得る9名のアーティストによる「骨壺」をテーマにした17点のアート作品が展示・販売されました。骨壺は traditionally 「特別な場所に置くもの」「日常とは距離のある存在」と捉えられがちですが、本展では遺骨を納めるための道具という機能を超え、日々の暮らしを豊かに彩る鑑賞の対象となるような、アート作品としても楽しめる新しい骨壺が提案されました。これは、故人を偲ぶ行為をより現代的で個人的な表現として捉え直す試みであり、死生観のリデザインを具現化するものです。
会社概要
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社名: 三和物産株式会社
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事業内容: 葬祭用品の製造販売
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代表者: 西河誠人(代表取締役)
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本社所在地: 〒920-0031 石川県金沢市広岡3丁目1番1号金沢パークビル9F(金沢本社)
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支社: 東京支店、大阪支店、福岡支店、名古屋工場、神奈川工場、札幌営業所
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創業: 1959年4月9日
株式会社kenmaの役割と「フラッグシップデザイン」
「コノコト」の共同開発パートナーである株式会社kenmaは、「日本の中小企業を脱下請け化させる」ことをミッションに掲げる、デザインと戦略立案のプロフェッショナル集団です。代表取締役の今井裕平氏が神戸大学大学院を修了後、安井建築設計事務所、日本IBM、電通コンサルティングを経て2016年に創業しました。
同社は、企業の見過ごされた強みを発掘し、その会社の看板商品・サービスを創り出す「フラッグシップデザイン」を提唱しています。このアプローチにより、これまでにないユニークな商品やサービスを数多く市場に送り出し、明確な成果を示すことにこだわっています。
代表作としては、メモがわりに使えるリストバンド「wemo」が100万本を超える大ヒットを記録したほか、コクヨ初の賃貸住宅事業「THE CAMPUS FLATS Togoshi」、吸水スポンジタオル「STTA」、伊勢茶ボトルレンタルサービス「朝ボトル」など、多岐にわたります。これらの実績は、同社のデザインと戦略立案の専門性が、単なる美的な側面だけでなく、ビジネスとしての成功に直結していることを示しています。
株式会社kenmaは、その革新的なデザインが評価され、グッドデザイン賞をはじめ、IAUD国際デザイン賞、フェーズフリーアワードなど、社会課題解決を対象としたデザイン賞を多数受賞しています。2024年にはテレビ東京『カンブリア宮殿』に「ヒット商品を次々と生み出すデザイン会社」として出演し、その企業活動が広く認知されました。2025年2月には初の著書『すごいアイデア』(祥伝社)が刊行される予定であり、その思想と手法はさらに注目を集めることでしょう。
会社概要
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会社名: 株式会社kenma
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本社: 〒162-0814 新宿区新小川町8-24-1 実森ビル3F
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代表者: 代表取締役 今井 裕平
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事業内容: デザイン・ビジネスコンサルティング、ブランド・製品・サービス・空間デザイン
結び
年間100万頭に上るペットとの別れは、多くの飼い主にとって計り知れない悲しみと向き合うことを意味します。この重要な社会課題に対し、三和物産株式会社と株式会社kenmaが、動物医療グリーフケアの第一人者である阿部美奈子氏の監修のもと開発したグリーフケアアプリ「コノコト」は、飼い主とペット双方の心の健康を支える画期的なソリューションを提供します。
「コノコト」は、50の質問、今の気持ちの記録、アルバム、手紙、ヒストリーといった多機能を通じて、飼い主がペットとの関係性を深く見つめ直し、感情を整理することを促します。また、飼い主自身のグリーフケアがペットの安心にも繋がるという「ペット視点」のケアを取り入れている点は、本アプリの大きな特色です。
三和物産が提唱する「死生観のリデザイン」という哲学は、「ラストベッド」や「死ンキングナイト」、「骨壺アートフェア」といった多角的な取り組みにも表れており、死や別れをポジティブに捉え、生を豊かにする社会の実現を目指しています。「コノコト」もまた、この哲学に基づき、ペットとの別れを乗り越え、より充実した人生を送るための一助となるでしょう。2031年までに100万人の利用拡大という目標達成に向け、今後の展開が注目されます。本アプリが、多くの飼い主の心の支えとなり、ペットと人との絆がより深く、そして豊かになる社会の実現に貢献することを期待します。


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