葬儀における意思決定と費用に関する実態調査:約8割が比較検討せず、短時間での判断が顕著に

終活

葬儀における意思決定と費用に関する実態調査:約8割が比較検討せず、短時間での判断が顕著に

近年、葬儀をめぐる意思決定は、短時間のうちに判断を迫られる場面が少なくありません。国民生活センターも葬儀費用に関する注意喚起を行っており、この分野における課題が指摘されています。このような背景のもと、燦ホールディングス株式会社は、過去5年以内に葬儀に関与した40代から80代の男女500名を対象に、「葬儀における意思決定と費用に関する実態」に関する意識調査を実施しました。

本調査は、葬儀の費用差を単なる価格の問題として捉えるのではなく、生活者がどのような状況のなかで意思決定を行っているのかに着目し、その実態を明らかにすることを目的としています。

調査概要

今回の調査は以下の要領で実施されました。

  • 調査期間: 2026年4月15日

  • 調査方法: インターネットによるアンケート調査

  • 調査対象者: 全国の過去5年以内に葬儀に関与した40歳〜80歳の男女

  • 回答者数: 500名

  • 調査主管: 燦ホールディングス株式会社

※グラフ中の回答割合は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがあります。

葬儀社の意思決定と時間的制約

約8割が葬儀社を比較せず決定、約4割が3時間以内に判断

葬儀社の決定に関する調査結果のサマリー

調査結果によると、葬儀社を選ぶ際に複数社を比較せずに決定した人は全体の約8割(75.8%)に達しました。また、ご逝去から葬儀社を決定するまでの時間については、約4割(40.6%)が3時間以内に判断を下しており、半日以内(3時間以内と半日以内を合計)に決定した人は約7割(67.8%)に上ることが判明しました。

葬儀社決定時のサービス・価格比較に関するアンケート結果

このデータは、多くの人が非常に短い時間の中で葬儀社の選定を行っている現状を示唆しています。複数社を比較検討した人は全体の2割程度にとどまり、十分な情報収集や比較検討を行う余裕がない状況が伺えます。

故人の逝去から葬儀社決定までの時間を尋ねたアンケート結果

比較検討しなかった理由:「時間的余裕がなかった」が最多

葬儀社を比較検討しなかった理由として最も多かったのは、「時間的余裕がなかった」で38.3%を占めました。次いで「過去に参列した葬儀の印象がよかったため、その葬儀社に決定した」(21.1%)、「話を聞いた葬儀社で納得し決定したため、比較検討の必要がなかった」(17.9%)が続きます。

葬儀社を比較検討しなかった理由を問うアンケート結果

大切な家族を亡くした直後の悲しみや混乱の中で、時間的猶予もなく葬儀社を選ばざるを得ない現実が浮き彫りになっています。この背景には、病院で亡くなった場合、病室や霊安室からの速やかな退去を求められるケースが多いことが影響していると考えられます。病院側も次の患者の受け入れや施設運営上の都合から、限られたスペースを確保する必要があり、遺族は短時間で判断を迫られる状況に置かれやすい実態があります。

葬儀費用の実態:想定外の増加と認識のズレ

約半数が最終的な支払額が「想定より増えた」と回答

最終的な支払額に関する調査結果のサマリー

葬儀会社に支払う金額だけでなく、葬儀全体(火葬場料金やお布施を含む)に発生した費用について、事前に自身で調べたり想像していた金額と最終的な支払額に差があったかを尋ねたところ、「ほとんど変わらなかった」が36.4%であったのに対し、「増えた」とする回答は合計で47.6%に上りました。具体的には、「1〜10万円増えた」が15.6%、「10〜50万円増えた」が21.2%、「50〜100万円増えた」が9.0%、「100万円以上増えた」が1.8%という結果でした。

葬儀の最終的な支払額が、事前に想像していた金額よりも「増えた」と感じた人の割合を示す棒グラフ

支払額が増加した主な理由:「プラン外の項目追加」と「認識のズレ」

想定金額と最終的な支払額に差が生じた理由として最も多かったのは、「事前に見ていたチラシやWEBサイトなどで見た葬儀プランには含まれていないと認識していた項目を、希望に応じて追加したため(例:花・写真・演出など)」で45.8%でした。次に多かったのは、「葬儀会社のチラシやWEBで表示されているプランの金額にどこまで含まれているか、当時の認識と実際にズレがあったため(事前に見ていたプランだと、自分がやりたい葬儀ができないことが判明したため)」で29.4%でした。

想定金額と最終的な葬儀費用に差が生じた理由に関するアンケート結果

これらの結果は、単に金額の違いに目を向けるだけでなく、事前にどこまで内容や費用構成を把握できているかが重要であることを示唆しています。突然の出来事の中で判断を迫られる場面が多いからこそ、あらかじめ情報を整理し、自分や家族にとって必要な内容を確認しておくことや、事前に葬儀社に相談しておくことが、納得感のある判断につながると考えられます。

全体金額の理解度:40代・50代の課題

40代・50代の2.5人に1人が「十分に理解できていないまま進んだ」と回答

全体金額の理解度に関する調査結果のサマリー

契約時、最終的に「いくらくらい支払うことになりそうか」という全体金額の目安についてどの程度理解・納得していたかを尋ねたところ、「説明は受けたが、十分に理解できている自信はなかった」が25.8%、「よく分からないまま進んだ」が5.4%、「ほとんど説明を理解できない状態だった」が2.8%となり、これらを合わせると34.0%が「理解不足」と感じていました。

契約時の支払い総額に関する理解度を問うアンケート結果

一方で、「内容を把握しており、他人にも説明できる状態だった」が16.6%、「説明を聞いて理解できており、必要な質問もできた」が49.4%となり、合計66.0%が全体金額について理解・納得していることが分かりました。

年代別で異なる理解度:若年層ほど理解不足の傾向

年代別に見てみると、「説明は受けたが、十分理解できている自信はなかった」「説明を受けたが、よく分からないまま進んだ」「ほとんど説明を理解できない状態だった」の合計は、40代では42.2%、50代では40.2%、60代以上では29.1%という結果でした。

年齢層別の説明理解度に関するアンケート結果

この結果から、全体金額について、40代・50代の2.5人に1人が「十分に理解できていないまま進んでいる」実態が明らかになりました。葬儀経験や事前知識の差により、比較的若い世代ほど、説明内容を十分に理解しきれないまま進行している実態がうかがえます。

これらの結果は、突然の出来事に直面した際の精神的な負担や、落ち着いて考える時間の少なさも影響していると考えられます。そのため、費用の全体像をあらかじめ確認しておくことの重要性が示唆されます。

燦ホールディングスのコメント担当者のイメージ

燦ホールディングスからは、以下のコメントが寄せられています。「差し迫った状況になると、精神的にも時間的にも判断が難しくなります。また、故人が何を望んでいたのか分からないまま悩まれるご遺族の姿も、現場で何度も目にしてきました。今すぐではないから大丈夫という方こそ、冷静に判断できるうちに、まずは一度、事前相談に足を運んでいただきたいと思います。」

コラム|終活とAIに関する調査:活用状況と影響

本調査と同じ条件の500名を対象に、葬儀や葬儀後の対応への生成AI(ChatGPTなど)の活用状況についても別途調査が実施されました。

生成AIの活用状況:40代が過半数

生成AIの活用状況に関するアンケート結果

生成AIを「活用した」と回答した人は全体の22.0%でした。年齢別では、40代が50.7%と約半数に達した一方、60代以上は11.4%にとどまり、世代間で大きな差が見られました。

使用ツールと相談内容:「行政手続き」が最多

使用されたAIツールではChatGPTが最多で67.3%、次いでGeminiが48.2%という結果でした。

主要なAIツールとAIアシスタントの利用率を示す棒グラフ

AIに相談した内容では、「行政手続き(年金や住民情報の変更手続きなど)」が48.2%で最多となり、葬儀そのものよりも、葬儀後の複雑な手続きに活用されていることが明らかになりました。次いで「通夜・告別式の流れや準備」(45.5%)、「プランや費用」(36.4%)と続きます。

様々な手続きや準備事項に関する割合を示す棒グラフ

AI活用による効果と課題

AIを使って感じたこととして、「基礎知識を整理するのに役立った」(49.1%)が最多で、「気軽に情報収集できた」(42.7%)が続きました。一方で、「情報が正しいか判断しづらかった」(9.1%)という声も一定数あり、情報の正確性への不安も残ります。

AI利用感に関するアンケート結果を示す棒グラフ

実際の対応への影響では、「葬儀会社への相談前に確認したいことを整理できた」(40.9%)、「葬儀会社からの説明を理解しやすくなった」(40.0%)など、AIが葬儀社との対話を補助する役割を担っていることが示されました。「かえって迷いや不安が増えた」はわずか2.7%にとどまっており、情報整理ツールとして概ね有効に機能していると評価できます。

AIが実際の対応に与えた影響に関するアンケート結果

結論:事前準備と情報収集の重要性

本調査結果は、多くの人が葬儀において、十分な情報収集や比較検討を行う時間的・精神的余裕がない中で意思決定を迫られている実態を浮き彫りにしました。特に、費用の認識のズレや、40代・50代における全体金額の理解不足は、今後の課題として認識されるべきでしょう。

また、生成AIの活用は、特に若い世代において、終活や葬儀関連の基礎知識整理や情報収集の有効な手段として普及しつつあります。AIは、葬儀社との相談をよりスムーズに進めるための補助ツールとしての役割を期待できますが、情報の正確性の判断には注意が必要です。

これらの結果を踏まえ、後悔のないお葬式やライフエンディングを迎えるためには、冷静な判断ができるうちに、事前の情報収集や相談を行うことの重要性が改めて強調されます。

燦ホールディングス株式会社について

燦ホールディングス株式会社のロゴマーク

燦ホールディングスグループは、東証プライム市場に上場する全国展開の専業葬儀事業者であり、葬祭業界のリーディングカンパニーとして、90年以上にわたり人の「最後」と真正面から向き合ってきました。

同社は“まごころ”をもって故人を見送る時間を大切にし、シニア世代とその家族の一人ひとりの人生に寄り添いながら、葬儀は人生の最終章を締めくくるかけがえのない儀式であることを伝えています。また、ライフエンディングに対する啓蒙にも積極的に取り組み、本人と家族が安心して最期を迎えるため、社会全体でその準備を支えられる未来を目指しています。これからも、人生100年時代を生きるすべての人にとって、「最後の時間が愛と敬意に包まれる社会」の実現に貢献していくとしています。

  • 企業名: 燦ホールディングス株式会社

  • 東京本社: 東京都港区南青山1-1-1 新青山ビル西館14F

  • 大阪本社: 大阪市北区天神橋4-6-39

  • 設立: 1944年(昭和19年)10月2日(創業1932年8月)

  • 資本金: 25億6,815万円

  • 従業員数: 54名(単体)、1,153名(連結)(2025年3月末現在)

  • 事業内容: 持株会社事業、不動産事業、管理業務受託事業

燦ホールディングスグループの詳細については、以下のリンクをご覧ください。

この記事を書いた人
終活専門ライター:榊原郁美
榊原 郁美

40代前半のウェブライター。関東在住。大学卒業後、出版社で編集アシスタントとしてキャリアをスタートし、記事制作や校正業務に携わる。その後、一般企業の広報部門へ転職し、社内外向けのコンテンツ制作や情報発信を担当。「読み手に伝わる文章」を追求する中でライティングスキルを磨く。

結婚・出産を機に働き方を見直し、在宅で活動できるフリーランスのウェブライターへ転身。現在は、ライフスタイル、子育て、ビジネス、キャリア、健康・美容など幅広いジャンルで執筆している。丁寧なリサーチと、読者目線に立ったやさしく分かりやすい文章に定評がある。

SEOを意識した記事構成やキーワード選定にも対応可能で、オウンドメディアやブログ記事、コラム執筆などを中心に活動中。クライアントの意図を汲み取りながら、信頼感のあるコンテンツ制作を心がけている。

趣味は読書と散歩、季節の料理づくり。日常の中にある小さな発見を大切にしながら、暮らしに寄り添う文章を発信している。

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